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日本対フランス 対戦成績と名勝負2017年の引き分けから2026年の完敗まで、W杯2027の勝機を探す

日本代表はフランスに一度も勝っていない。テストマッチ9戦0勝8敗1分。2017年ナンテールの23-23、2022年国立の15-20、そして2026年7月の15-42。全対戦を振り返り、W杯2027ブリスベンでの勝機を探る。

Text — LEO Updated — Read — 6分
日本対フランス 対戦成績と名勝負|2017年の引き分けから2026年の完敗まで、W杯2027の勝機を探す

日本代表は、まだフランスに勝ったことがありません。テストマッチ9試合で0勝8敗1分。唯一の引き分けは2017年11月、パリ郊外ナンテールでの23-23です。あの夜、同点トライのあとのコンバージョンが決まっていれば、歴史は1つ変わっていました。そして2026年7月18日、国立競技場。5万人を超える観衆の前で15-42。W杯2027のプールEで、1年後にまた当たる相手です。

Pointこの記事の結論

  • フランス代表とのテストマッチは9戦0勝8敗1分(1973年以降。1978〜85年の「フランスXV」戦6試合は別扱い)
  • いちばん近づいたのは2017年の23-23と、2022年7月の国立での15-20
  • 2026年7月の15-42は、ハイボールの競り合いとラインアウトモールで差をつけられた
  • W杯2027は10月9日ブリスベン。勝ちを狙うなら「空中戦」と「モール防御」の1年にしたい

Contents 目次
  1. 全対戦成績:0勝8敗1分
  2. W杯では2戦2敗、どちらも20点以上は奪った
  3. 2017年 ナンテール:コンバージョン1本の距離
  4. 2022年 国立:5点差まで迫った夏
  5. 2026年7月18日 国立:15-42の中身
  6. 1年で何を埋めるか

全対戦成績:0勝8敗1分

日本とフランス代表のテストマッチを並べます。英語版Wikipediaの日本代表テストマッチ一覧をもとに、2026年までの試合を整理しました。

日付 会場(都市) スコア(日本-フランス) 備考
1973年10月27日 スタッド・シャバン=デルマス(ボルドー) 18-30 初対戦
2003年10月18日 タウンズビル(豪州) 29-51 W杯
2011年9月10日 ノースハーバー・スタジアム(NZ) 21-47 W杯
2017年11月25日 Uアリーナ(ナンテール) 23-23 唯一の引き分け
2022年7月2日 豊田スタジアム(愛知) 23-42
2022年7月9日 国立競技場(東京) 15-20 5点差
2022年11月20日 スタジアム・ド・トゥールーズ 17-35
2024年11月9日 スタッド・ド・フランス(サンドニ) 12-52 最大得点差
2026年7月18日 国立競技場(東京) 15-42 ネーションズチャンピオンシップ

9試合の合計は日本173点、フランス342点。平均すると1試合あたり約19点差です。

このほかに1978年から1985年にかけて、日本はフランスの選抜チーム「フランスXV」と6試合を戦い、すべて敗れています。0-52が2度、0-50が1度。フランス側の記録ではテストマッチに数えられていない試合ですが、当時の日本ラグビーにとって、フランスがどれだけ遠い存在だったかは伝わると思います。

0勝8敗1分日本代表の対フランス代表テストマッチ通算成績(2026年9月時点)

興味深いのは、W杯での対戦が2003年のタウンズビルと、次回2027年のブリスベン。どちらもオーストラリアのクイーンズランド州だということです。24年ぶりに同じ州で、W杯のフランス戦を迎えます。

W杯では2戦2敗、どちらも20点以上は奪った

W杯でのフランス戦は過去2回。2003年のオーストラリア大会(タウンズビル)では29-51、2011年のニュージーランド大会(ノースハーバー)では21-47でした。どちらも20点以上の差がつきました。それでも日本は2試合とも20点以上を奪っています。点は取れる。問題は、それ以上に取られること。9試合の平均失点は約38点で、フランス戦の歴史は「どう守るか」の歴史でもあります。

今のフランスは、2026年9月21日発表の世界ランキングで4位。日本は9位です。ランキングの差だけでいえば、2003年や2011年のころよりは縮まっています。問題は、その差が80分のどこで表に出るか。後半の最初の10分に集中して現れるなら、そこをしのぐ準備はできるはずです。

2017年 ナンテール:コンバージョン1本の距離

2017年11月25日、パリ郊外ナンテールの屋内スタジアム「Uアリーナ」(現パリ・ラ・デファンス・アリーナ)。当時のジェイミー・ジョセフHC体制で2年目の秋でした。

試合は田村優のPGで日本が先制し、22分にHO堀江翔太がトライ。フランスはフランソワ・トランデュックのPGとPRラバ・スリマニのトライで前半を13-8とリードします。後半開始直後、CTBラファエレ ティモシーのトライと田村のゴールで日本が15-13と逆転。その後フランスがWTBガブリエル・ラクロワのトライなどで23-18と突き放しましたが、72分、PRアサエリ・アイ ヴァルが押し込んで23-23の同点に。

残るはコンバージョン1本。決まれば勝ち越し、日本代表の歴史で初めてフランスを上回る場面でした。田村のキックは外れ、試合はそのまま引き分けで終わりました。

Q12017年のフランス戦で、日本の3本目のトライ(同点トライ)を決めたのは誰?答えを見る

アサエリ・アイ ヴァルです。72分、ゴール前の攻防から押し込み23-23としました。この試合で日本が取ったトライは堀江翔太、ラファエレ ティモシー、アイ ヴァルの3本。フランスのトライ2本を上回っていたことも、今あらためて見ると面白いところです。

2022年 国立:5点差まで迫った夏

2022年7月、フランスは日本で2試合を戦いました。1戦目の豊田は23-42。1週間後の国立では15-20まで迫っています。9試合の中で、引き分けを除けば最も点差が小さい試合です。

その後の2試合は、2022年11月のトゥールーズで17-35、2024年11月のスタッド・ド・フランスで12-52。フランスのホームでは、点差が大きく開く傾向があります。W杯2027は中立地のブリスベン。スタンドの色がどうなるかは、日本から何人渡るかにもかかっています。

2026年7月18日 国立:15-42の中身

最新の対戦を少し細かく振り返ります。ネーションズチャンピオンシップ第3戦。日本はイタリアに27-10で勝ったあと、アイルランドに20-36で敗れて迎えた一戦でした。

時間 得点 スコア(日本-フランス)
2分 フランス:マキシム・ラモット(HO)トライ、ゴール成功 0-7
10分 日本:松永拓朗 PG 3-7
15分 日本:石田吉平 トライ 8-7
19〜24分 フランス:マチュー・ジャリベール、アレクサンドル・ルマのトライ(ともにゴール成功) 8-21
30分 フランス:マキシム・ルキュ(SH)トライ、ゴール成功 8-28
36分 日本:大塚壮二郎(PR)トライ、松永ゴール成功 15-28
43分 フランス:ジャリベール 2本目のトライ、ゴール成功 15-35
51分 フランス:ラモット 2本目のトライ、ゴール成功 15-42

※得点経過はAutumn Internationalsの試合記録と、ラグビーリパブリックの試合リポートをもとに整理。

SH(9番)のルキュは1トライ5ゴールの15得点。フランスは6トライ。ラグビーリパブリックの試合リポートによれば、前半の中盤にはラインアウトモールから立て続けにトライを奪われ、後半51分のラモットの2本目もモールのドライブからでした。

日本にも見せ場はありました。15分、SO伊藤龍之介のカウンターから石田吉平がトライを取って8-7と逆転。36分には、ゴール前のペナルティで速攻を選び、大学生プロップの大塚壮二郎がねじ込んでいる。前半35分までの日本は、決して一方的にやられていたわけではありません。

差がついたのは空中戦です。ラグビーリパブリックの試合リポートによると、フランスは前半だけで4度、ハイボールの競り合いで自分たちのボールを取り返しています。後半3分のジャリベールのトライも、中盤のハイボールの再獲得から。キックを蹴り合う展開で、落下地点の勝負に負け続けた。キックの種類と狙いについてはキックの解説も参考にしてください。

試合後、エディー・ジョーンズHCはスタンドのファンに向けて「ここから良くなるしかない」という趣旨の言葉を送っています(BusinessDay)。

ネーションズチャンピオンシップ2026 日本対フランス ハイライト(France Rugby公式) YouTubeで見る

1年で何を埋めるか

2026年7月の試合から見えた課題を、W杯2027に向けて3つに絞ります。ここからは筆者の見立てです。

  1. ハイボールの競り合いフランスはキックを上げて、落下地点で体をぶつけてくる。キャッチする選手だけでなく、周りの選手がどれだけ早くサポートに入れるか。FBとWTBの選考基準そのものになりうる部分です。
  2. ラインアウトモールの防御6トライのうち複数がモール起点。モールは「組まれてから止める」のでは遅い。ラインアウトの空中で競って、モールを組ませない、組まれても最初の一歩で前に出させない。ここは練習量がそのまま出る。
  3. 後半の最初の10分2026年7月は後半開始から11分で2トライを奪われ、試合が終わりました。ハーフタイムを挟んで最初の10分を耐えれば、フランスは焦り始める。2017年も2022年の国立も、日本が接戦に持ち込めたのは後半に崩れなかったからです。

日程面でも、W杯2027のフランス戦は日本にとって楽ではありません。日本は10月3日のサモア戦から中5日でブリスベンに入るのに対し、フランスは10月2日のアメリカ戦から中6日。休養は1日、フランスのほうが長い。しかも日本はニューカッスルからの移動を挟みます。このわずかな差をどう埋めるかは、スタッフの腕の見せどころです。

明るい材料もあります。日本は2026年9月のパシフィック・ネーションズカップで、フィジーを20-15で破って7年ぶりに優勝しました。僅差の試合を最後に勝ち切る経験は、フランス戦のような試合でこそ生きるはずです。

フランス戦は真っ向勝負で勝ちに行く派VS勝ち点ボーナス狙いで、アメリカ戦に余力を残す派

真っ向勝負派は「W杯で格上を倒さずに、ベスト8以上はない」。ボーナス狙い派は「7点差以内の負けで1点、4トライで1点。確実に2位で抜けるほうが大事」。W杯2027はプール戦が3試合しかなく、フランス戦の6日後にはアメリカ戦が待っている。どちらも正しいから悩ましい。個人的には、前半を5点差以内で終えられたら勝ちに行ってほしい。

勝ち点の細かい計算はプールEの日程と勝ち点シナリオで、初戦の相手サモアとの因縁は日本対サモアの記事で書いています。本番で誰がフランスに挑むのかはメンバー予想33人もどうぞ。

参考:日本ラグビーフットボール協会(2026年7月18日 試合結果)/ラグビーリパブリック(日本対フランス 試合リポート)/Autumn Internationals(2026年7月18日 試合記録)/Wikipedia(日本代表テストマッチ一覧)/Wikipedia(2017年11月のテストマッチ)/BusinessDay(2026年7月18日 試合記事)


2027年10月9日、ブリスベン。キックオフは現地18時45分、日本時間では17時45分です。0勝8敗1分の歴史に、初めて「勝ち」を書き込めるか。2017年の、あのコンバージョン1本の距離を、1年かけて詰めてほしいと思います。

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LEOEditor-in-Chief

埼玉工業大学深谷高等学校(埼工大深谷。現・正智深谷)ラグビー部出身。WTB→CTB→FLと渡り歩き、在籍中のチームは花園2年連続ベスト4。いまはラグビージャージのデザイン制作(HERCULEGEAR)に携わりながら、ラグビーの面白さを書いています。

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