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FW派?BK派?ラグビー好きの“どっち派”論争10番勝負元ラガーマンの結論は

日本代表のFWはBKより平均23キロ重い。体格、食事量、痛さ、目立ち方、そしてモテ。FWとBKを10項目でガチ比較し、勝敗を独断でつけた。最後の1番で出た結論に、異論は認める。

Text — LEO Updated — Read — 6分
FW派?BK派?ラグビー好きの“どっち派”論争10番勝負|元ラガーマンの結論は

ラグビー好きが2人いれば、だいたい2つに割れる。FW(フォワード)派か、BK(バックス)派か。スクラムの押し合いにしびれるのか、外で抜け出すウイングに立ち上がるのか。飲み会でこの話題を出すと、終電を逃す。

そこで今回は、本気で10番勝負をやってみた。体格、食事、練習、痛さ、目立ち方、そしてモテ。勝敗はすべて書き手の独断だ。ただし、数字を出すところは日本代表の公式データを使った。異論は大歓迎。

Pointこの記事の結論

  • 日本代表(2026年PNC登録メンバー)で比べると、FWはBKより平均で約12センチ高く、約23キロ重い
  • 10番勝負の結果は、5勝5敗……ではなく、最後の1番で決着がつく
  • 体を張る量ならFW、試合を決める瞬間の多さならBK。どちらも欠けたら15人制は成立しない

そもそもFWとBKの役割がよくわからない、という人はポジションと役割の基本から読んでほしい。ざっくり言えば、1〜8番がFW、9〜15番がBK。FWはスクラムやラインアウト、ボール争奪で球を獲る係、BKはその球を走ってつないでトライにする係だ。

FW派VSBK派

前で押すか、外で駆けるか。FWは「俺たちが球を獲らなきゃ始まらない」と言い、BKは「獲った球をトライにするのは俺たちだ」と言う。どちらも正しい。だから決着がつかない。今日はそこに、あえて白黒をつける。

Contents 目次
  1. 第1〜3番勝負:体と胃袋と練習メニュー
  2. 第1番「体格」──FWの圧勝
  3. 第2番「食事量」──FWの勝ち
  4. 第3番「練習メニューのきつさ」──引き分け
  5. 第4〜6番勝負:痛さ、目立ち方、頭脳
  6. 第4番「痛さ」──FWの勝ち(勝ちたくはない)
  7. 第5番「目立ち方」──BKの勝ち
  8. 第6番「頭脳」──引き分け
  9. 第7〜9番勝負:モテ、泥、結束
  10. 第7番「モテ」──BKの勝ち(たぶん)
  11. 第8番「ユニフォームの汚れ」──FWの圧勝
  12. 第9番「結束力」──FWの勝ち
  13. 第10番勝負と、元ラガーマンの結論
  14. 第10番「試合を決める瞬間」──BKの勝ち

第1〜3番勝負:体と胃袋と練習メニュー

第1番「体格」──FWの圧勝

まずはデータから。日本ラグビーフットボール協会が公表している、アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2026の日本代表登録メンバー30人(FW18人、BK12人)の身長・体重を平均してみた。

人数 平均身長 平均体重
FW 18 188.3cm 111.9kg
BK 12 176.6cm 88.7kg
差 − 約11.7cm 約23.3kg

FWでいちばん大きいのはハリー・ホッキングスの208センチ・124キロ。BKでいちばん小柄なのは齋藤直人の165センチ・73キロ。同じチームの同じジャージを着た2人で、身長差は43センチ、体重差は51キロある。こんな競技、ほかにあまりない。

Harry Hockings
ハリー・ホッキングス
ポジション
LO(ロック)
生年・出身
1998年生まれ
所属
東京サントリーサンゴリアス

身長208cm・体重124kg。出典:日本ラグビーフットボール協会 PNC2026登録メンバー

Naoto Saito
齋藤直人
ポジション
SH(スクラムハーフ)
生年・出身
1997年生まれ
所属
東京サントリーサンゴリアス

身長165cm・体重73kg。出典:日本ラグビーフットボール協会 PNC2026登録メンバー

23.3kgPNC2026日本代表登録メンバーのFWとBKの平均体重差(日本ラグビーフットボール協会の公表値から算出)

判定は文句なしでFW。ただし、BKの平均88.7キロも一般人から見れば十分に大きい。そこは誤解のないように。

第2番「食事量」──FWの勝ち

ここはデータなしの独断。体重110キロを維持するのは、それ自体が練習だ。現場では「食べるのも練習」とよく言われる。どんぶり飯を何杯もおかわりするのは、たいていFWの席。BKも食べるが、FWの食卓は量の桁が違う、というのが経験者の共通認識だろう。FWの勝ち。

第3番「練習メニューのきつさ」──引き分け

FWはスクラムの組み合い、モールの押し合い、ラインアウトのリフト。首と背中と脚を全部使う。BKはスプリント、キック、パス。反復のダッシュで肺がちぎれそうになる。きつさの種類が違うだけで、どちらも楽ではない。これは引き分けにしておかないと、両方から怒られる。

ひとつ付け加えると、練習の“最後”にやらされるメニューで派閥の性格が出る。FWはスクラムマシンを押して終わり、BKはダッシュを繰り返して終わる。どちらも最後の1本で一番声が出る。経験者なら、あの夕暮れのグラウンドの空気を思い出すはずだ。

第4〜6番勝負:痛さ、目立ち方、頭脳

第4番「痛さ」──FWの勝ち(勝ちたくはない)

スクラムでは両側と前から押され、ラックでは上から踏まれそうになり、モールでは誰かの肘が脇腹に入る。コンタクトの回数そのものが、FWは圧倒的に多い。BKは一発の衝撃が大きい。スピードに乗った状態でぶつかるからだ。ただ、試合が終わったあとに首と肩がどうなっているかを比べれば、FWに軍配が上がる。うれしくない勝利だが。

ひとつだけ真面目に書いておく。頭を打った、ふらついた、という場面は、FWでもBKでも関係なく、その場で試合から外れるのがルールだ。競技規則でも、脳振とうの疑いがある選手はただちに、そして完全にフィールドから退くと定めている(3.24、「Recognise and Remove」)。痛さ自慢はしても、頭のケガだけは我慢しない。これは両派共通の約束にしたい。

第5番「目立ち方」──BKの勝ち

トライを取って、両手を上げて、スタンドが揺れる。ハイライト映像の最初に映るのは、たいていBKだ。ウイングが大外を駆け抜ける場面の華やかさは、どうしても押し合いの絵より伝わりやすい。FWのトライはゴール前のモールや、ラックのすぐ横の力技が多く、気づいたら終わっている。BKの勝ち。

ただ、FW派にも言い分はある。ゴール前5メートルのラインアウトからモールを組んで、じわじわ押し込むトライ。あれは8人全員の作品で、スタンドのFW経験者だけが異様に盛り上がる。派手さでは負けても、玄人の拍手の大きさなら負けていない。とはいえ、勝負は勝負。ここはBKに譲る。

第6番「頭脳」──引き分け

司令塔といえばSO(スタンドオフ)とSH。蹴るか、回すか、FWを当てるか。1秒ごとに判断を求められる。一方で、ラインアウトのサインを組み立てるのはFW、特にLO(ロック)とHO(フッカー)の仕事だ。スクラムでも、どちらの足をどう置くかという駆け引きが続いている。頭を使う場所が違うだけ。これも引き分け。

第7〜9番勝負:モテ、泥、結束

第7番「モテ」──BKの勝ち(たぶん)

ここに根拠のあるデータは存在しない。完全に偏見で判定する。ユニフォームが汚れにくく、髪型が崩れにくく、トライの場面で映る。よってBK。FW派からの抗議はコメント欄で受け付ける。

第8番「ユニフォームの汚れ」──FWの圧勝

雨の試合のあと、ジャージの色がわからなくなっているのはだいたいFWだ。スクラムで地面に近い位置にいて、ラックでは芝に顔をつける。泥の量ならFWの圧勝。洗濯をする家族の苦労も含めて、FWに1勝。

第9番「結束力」──FWの勝ち

スクラムは8人が一体にならないと押せない。モールも同じ。1人がサボれば全員が崩れる構造なので、自然と仲が深くなる。「FWの8人は家族」という言い方を、経験者なら一度は聞いたことがあるはずだ。BKも連携の競技だが、体をくっつけて同じ方向に押す一体感は、FWならではの特権と言っていい。

BK派から「こっちはサインプレーの呼吸で結束している」と反論が来そうだ。確かに、SOとCTB(センター)が目を合わせただけで同じ動きを選べる関係は美しい。ただ、試合後の打ち上げでいつまでも同じテーブルに固まっているのは、たいていFWのほうだ。ここはFWに1勝。

第10番勝負と、元ラガーマンの結論

ここまでの成績を整理する。

勝負 勝者
第1番 体格 FW
第2番 食事量 FW
第3番 練習のきつさ 引き分け
第4番 痛さ FW
第5番 目立ち方 BK
第6番 頭脳 引き分け
第7番 モテ BK
第8番 ユニフォームの汚れ FW
第9番 結束力 FW

FWの5勝2敗2分け。……いや待て。項目の選び方がFW寄りすぎる、という声が聞こえる。その通りだ。書き手がFW目線に偏っていることは認める。

第10番「試合を決める瞬間」──BKの勝ち

最後の1番は、あえてBKに渡したい。どれだけFWが球を獲っても、最後にゴールラインを越えるのはBKであることが多い。接戦の終盤、1本のラインブレイク(防御ラインを突破するプレー)、1本のタックル、1本のキックが勝敗を分ける。その場面の主役は、多くの場合BKだ。

特にFB(フルバック)とウイングは、最後尾で相手の独走を止める役目も背負っている。抜かれたら終わり、という状況で1対1のタックルに入る。あの場面の緊張感は、FWが味わう種類のものとはまた違う。点を取るのも、最後に止めるのも、BKの仕事になりやすい。

最終成績はFWの5勝3敗2分け。結論はFW派の勝ち。異論は認める。

でも本当の結論は別のところにある。ラグビーでは、FWが獲った球をBKがトライにし、BKが蹴った陣地でFWがまた球を獲る。どちらか片方では、1点も取れない。体重100キロを超える選手と70キロ台の選手が、同じジャージで同じ目標に向かう。この“違う体の人間が役割を分け合う”ところこそ、ラグビーという競技の一番の魅力だと思う。

ラグビーのルール 第1巻 ポジション篇(JAPAN RUGBY TV/日本ラグビーフットボール協会) YouTubeで見る

自分がどちらに向いているかは、ポジション診断で掘り下げる。FWとBKでスパイクの選び方がどう違うかはスパイクの記事に、ルールの腕試しはラグビールールクイズ20問にまとめてある。FWの最前線の話ならプロップの記事もどうぞ。

参考:日本ラグビーフットボール協会 15人制男子日本代表 チーム・選手/ハリー・ホッキングス 選手プロフィール/齋藤直人 選手プロフィール/World Rugby 競技規則 第3条 チーム

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LEOEditor-in-Chief

埼玉工業大学深谷高等学校(埼工大深谷。現・正智深谷)ラグビー部出身。WTB→CTB→FLと渡り歩き、在籍中のチームは花園2年連続ベスト4。いまはラグビージャージのデザイン制作(HERCULEGEAR)に携わりながら、ラグビーの面白さを書いています。

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