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竹内柊平とは?サンゴリアスの3番が日本代表スクラムの“要”になった理由

宮崎工業高、九州共立大、2部も経験したD-Rocks、実らなかったフランス挑戦。回り道の末にPNC決勝で日本代表の3番を背負った竹内柊平。タイトヘッドの仕事の中身と、31キャップまでの歩みを元ラガーマン目線で解説する。

Text — LEO Updated — Read — 6分
竹内柊平とは?|サンゴリアスの3番が日本代表スクラムの“要”になった理由

宮崎工業高校から九州共立大学。関東や関西のラグビー強豪大学の出身ではない。それでも、2026年9月19日のパシフィックネーションズカップ決勝で日本代表の3番を背負い、スクラムの右側を支えたのはこの男だった。竹内柊平、28歳。通称「TK」。フランス挑戦を模索した末に東京サントリーサンゴリアスへ移り、いまや代表のタイトヘッドプロップとして先発を重ねている。地方から這い上がった3番は、なぜ日本のスクラムに欠かせなくなったのか。

Pointこの記事の結論

  • 竹内柊平は1997年生まれ、宮崎県出身。宮崎工業高、九州共立大から2020年にNTTコミュニケーションズシャイニングアークスへ入り、浦安D-Rocksを経て2025年7月にサンゴリアスへ移籍した
  • 初キャップは2022年6月18日のウルグアイ戦。JRFUの発表をもとに数えると、2026年9月19日のPNC決勝で31キャップ目
  • タイトヘッド(右プロップ、3番)は、スクラムで相手と味方の両側から圧力を受ける“一番きつい”位置。そこで踏ん張りながら、フィールドでは突進とタックルで働ける
  • 2026年のテストマッチでは3番の先発に定着。為房慶次朗らとの競争は続くが、W杯2027へ向けた最右翼の一人だ

Contents 目次
  1. 宮崎で始めた、小学5年のラグビー
  2. D-Rocksで2部も経験、そしてフランスへの夢
  3. 初キャップは2022年、ウルグアイ戦
  4. 3番は“両側から押される”
  5. 183cmのタイトヘッドが低く組むには
  6. スクラムだけじゃない、フィールドの運動量
  7. 2026年、3番の先発はTK

宮崎で始めた、小学5年のラグビー

JRFUの選手プロフィールによれば、竹内の競技歴は宮崎ラグビースクールから始まる。始めたのは小学5年。そこから宮崎工業高校、九州共立大学へ進んだ。出生地は宮崎県だ。

日本語版Wikipediaとその出典によれば、九州共立大学では4年時の2019年に主将を務め、同大学はこの年に初めて全国大学選手権へ出場している。いわゆる“エリート街道”とは違う道のりで、社会人の扉を開いた。

3
Shuhei Takeuchi
竹内柊平
ポジション
PR(3番・タイトヘッド)
生年・出身
1997年・宮崎県出身
所属
東京サントリーサンゴリアス
代表キャップ
31(2026年9月19日のPNC決勝終了時点。JRFU発表の30キャップ+決勝先発)

出典:日本ラグビーフットボール協会(JRFU)選手プロフィール・試合登録メンバー発表

JRFUのプロフィールでは身長183cm、体重115kg(2026年9月のPNC登録メンバー発表では120kg)。プロップとしては背が高いほうで、この“高さ”はスクラムで低く組むうえでは不利にもなりうる。それをどう克服しているかは、後で触れる。

D-Rocksで2部も経験、そしてフランスへの夢

2020年、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスに加入。日本語版Wikipediaによれば、リーグワン初出場は2022年1月8日のコベルコ神戸スティーラーズ戦だった。同じ2022年の7月、NTTグループのチーム再編で新チーム・浦安D-Rocksの一員になる。

ラグビーリパブリックは、竹内がD-Rocksで2部(ディビジョン2)も経験したと書いている。代表に呼ばれる選手が2部でプレーするのは珍しいことではないが、スポットライトが当たりにくい時期だったのは間違いない。

初キャップは2022年、ウルグアイ戦

日本代表デビューは2022年6月18日、秩父宮でのウルグアイ戦(リポビタンDチャレンジカップ2022)。途中出場で、日本は34-15で勝った。JRFUの試合記録でも、この試合のメンバーに竹内の名前が確認できる。

転機は2025年だ。D-Rocksを退団し、かねて希望していたフランスでの挑戦を探った。7月のウェールズ代表との2連戦では、7月5日の試合にPRながらフル出場(ラグビーリパブリック)。ある強豪から好感触を得たが、正式な契約には至らなかった。

そして2025年7月29日、サンゴリアス入りを発表する。このとき日本代表15キャップ。移籍を決めた理由を、竹内はこう語っている。

自分にコミットするのではなく、チームにコミットしたい。— 竹内柊平(ラグビーリパブリック、2025年8月10日)

同じ記事では、エディー・ジョーンズHCから「自分の仕事だけをしてくれ」と助言され、その言葉が心に沁みたことも明かしている。突っ走りがちな性格を自覚したうえで、チームの一部として働く。サンゴリアスでの1年目は、その切り替えのシーズンでもあった。チームは2025-26シーズンのリーグワンD1を4位で終えている。

3番は“両側から押される”

ここからは、タイトヘッドプロップという仕事の中身を元ラガーマン目線で書く。プロップの基本はプロップ(PR)の特徴と伝説のプロップで詳しく書いたが、要点をおさらいしておく。

スクラム最前列の右端に入る3番は、頭が相手の1番とフッカーのあいだに入る。つまり相手の2人に挟まれ、背中からは味方のロックに押される。両肩に相手の圧力がかかるので、左端の1番(ルースヘッド)より体の自由がきかない。スクラムの“土台”と呼ばれるのはそのためだ。

  1. 低さを保つ背が高いプロップは、腰と膝を深く曲げて相手より先に低い姿勢を作らないと、下から持ち上げられる。竹内のように183cmあるなら、なおさら準備の姿勢がものを言う。
  2. バインドで相手の腕を殺す3番は右腕で相手1番の背中側をつかみ、相手が内側へ角度をつけてくるのを抑える。ここで負けるとスクラムが回され、反則を取られる。
  3. 首と背中を一直線に押す力は脚から生まれ、背中を通って肩に伝わる。首が折れたり背中が丸まったりすると力が逃げるうえ、ケガにつながる。安全の面でも一番大事なポイントだ。

組み方の基本と首を守る姿勢はスクラムの組み方にまとめた。スクラムは危険を伴うプレーなので、実際に組む練習は必ず指導者の管理のもとでやってほしい。

183cmのタイトヘッドが低く組むには

冒頭で触れた“高さ”の話に戻る。背の高いプロップは脚が長いぶん、低い姿勢を作るには膝と股関節を深く曲げる必要がある。そのぶん太ももとお尻の筋力、そして足首の柔らかさが求められる。逆に言えば、低さを作れさえすれば、長い脚は押し込むときのストロークの長さになる。

JRFUは、竹内自身がスクラム前のルーティンを解説する動画を公開している(下に埋め込んだ)。細かい中身は動画で確かめてほしいが、決まったルーティンを持っていること自体が、組む前の準備を大事にしている証拠だ。スクラムは「組んでから」ではなく「組む前」に勝負が決まる。現場でよく言われる話だ。

所属のサンゴリアスでも競争は厳しい。移籍時のラグビーリパブリックの記事では、元日本代表の垣永真之介、出番を増やしていた中野幹、日本代表にも呼ばれていた木原三四郎と、プロップの競争相手の名前が並んでいた。竹内は木原について「決まったことを愚直にやり続け」られる選手だと評している。後輩をリスペクトしながら、ポジションを争う。そういう環境を自分で選んだわけだ。

竹内柊平によるスクラム前のルーティン解説(JAPAN RUGBY TV/日本ラグビーフットボール協会公式) YouTubeで見る

スクラムだけじゃない、フィールドの運動量

竹内の評価を押し上げているのは、スクラム以外の働きだ。ラグビーリパブリックは、竹内を「突進力とタックルに長ける右PR」と紹介している。

JRFUの公式チャンネルには、2025年のウェールズ戦でピック&ゴー(ラックからボールを拾ってそのまま前進するプレー)でトライを奪った場面や、PNC2025で江良颯にオフロードパス(タックルを受けながらつなぐパス)を通したトライの場面も残っている。プロップがオフロードを出す。それだけで相手のディフェンスは1枚ずれる。

2025年ウェールズ戦、竹内柊平のピック&ゴーからのトライ(JAPAN RUGBY TV/日本ラグビーフットボール協会公式) YouTubeで見る
31キャップ2026年9月19日のPNC決勝終了時点の竹内柊平の日本代表キャップ数(JRFU発表の30キャップに、決勝の先発出場を加えた数)

2026年、3番の先発はTK

2026年のキャップ数の推移を見ると、竹内がどれだけ使われているかがわかる。ラグビーリパブリックのメンバー一覧では、7月1日時点で24キャップ。JRFUの一覧で8月6日時点26、カナダ戦の登録時点28、PNC決勝の登録時点30。決勝にも先発したので、31キャップになった。

日付 相手 スコア 竹内(JRFU試合記録)
8月8日 オーストラリア(花園) 32-35 ● 3番先発、後半26分に交代
8月15日 オーストラリア(タウンズビル) 17-56 ● 3番先発
9月5日 カナダ(新潟) 57-12 ○ 3番先発、後半8分に交代
9月12日 アメリカ(PNC準決勝) 63-14 ○ 3番先発、後半6分に交代
9月19日 フィジー(PNC決勝) 20-15 ○ 3番先発、後半31分に交代

プロップは交代前提のポジションで、先発が60分前後で退くのは普通のことだ。大事なのは「最初の50〜60分を任されている」こと。8月以降の5試合すべてで先発した事実が、首脳陣の評価を物語っている。

竹内柊平(先発で土台を作る)VS為房慶次朗(後半に入って押し切る)

3番の先発は竹内、後半の勝負どころはクボタの為房慶次朗(JRFUの一覧で8月6日時点23キャップ)。8月8日のオーストラリア戦では、実際に竹内から為房への交代があった。W杯のメンバーでは、この2人をどう並べるかが焦点になる。あなたは「最初の50分」と「最後の30分」、どちらの3番が重要だと思うか。

Q1竹内柊平が日本代表の初キャップを得た試合の相手はどこ?答えを見る

答えはウルグアイ。2022年6月18日、秩父宮でのリポビタンDチャレンジカップ2022に途中出場し、日本は34-15で勝った。当時の所属はNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安だった。

日本代表のフロントローでは、フッカーの争いも熱い。若手の佐藤健次については佐藤健次の記事で書いた。W杯に向けたFWの顔ぶれは日本代表メンバー予想33人でも予想している。

地方の高校、九州の大学、2部のチーム、実らなかった海外移籍。竹内のキャリアには、回り道がいくつもある。それでもPNC決勝の3番に立っていたのは、その回り道のなかで、スクラムの右側を支える技術と、チームに身を預ける覚悟を身につけてきたからだろう。2025年のPNCを前に、同大会の右PRで最高峰を目指すと話していた男は、1年後、その言葉にかなり近い場所にいる。

参考:JRFU 選手プロフィール 竹内柊平/JRFU PNC2026決勝 試合登録メンバー/ラグビーリパブリック(2025年8月10日)/ラグビーリパブリック(2025年7月29日)/JRFU 2022年ウルグアイ戦 試合記録/JRFU 2026年8月8日オーストラリア戦 試合記録

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LEOEditor-in-Chief

埼玉工業大学深谷高等学校(埼工大深谷。現・正智深谷)ラグビー部出身。WTB→CTB→FLと渡り歩き、在籍中のチームは花園2年連続ベスト4。いまはラグビージャージのデザイン制作(HERCULEGEAR)に携わりながら、ラグビーの面白さを書いています。

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